2020/09
【背景】
様々なご経験を経て独立された構造デザインスタジオさんのブランドコンセプトおよびコーポレートサイトデザイン・開発を行いました。 クライアントとの議論をふまえて、「やってみようからはじめよう」というブランドコンセプトを創出しました。 サイトデザインにもコンセプトを反映させ、様々な思考の跡をノートに書き込むようなデザインを提案しました。
清水良太構造デザインスタジオ
清水良太構造デザインスタジオ
・「不可能を可能に」したい
清水良太構造デザインスタジオ様は、独立・操業して間もない企業ということもあり、企業ブランドの定義をはじめとして「様々な戦略やイメージづくりを行うための軸を持てていない」という課題感を抱えていらっしゃいました。
頭の中には理想の会社・仕事のイメージはぼんやりと思い浮かべられるが、それを具体的なものとして説明したり、顧客に対して同じようにイメージしてもらうことができないという相談をいただき、また、それを解決するための方法を持っていないということで、建築領域でブランディングソリューションを提供している弊社にお声がけいただきました。
【こだわりポイント】
・届けたい人に届く言葉に言い換える
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「会社としての軸が作り切れていない」という課題に対し、以下の3点に取り組みました。
代表者の原体験を深掘りし、把握する
業界の課題を整理し、他社にできていないことを発見する
クライアント特有のアプローチ・思想を言語化する
会社としての軸を作っていくためには、様々な方法があります。 清水良太構造デザインスタジオ様は、ぼんやりながら会社として追求したい方向性や、そのための思想を持たれている印象をお話ししている中で受けました。
そこで、今回は「なぜ、そもそも構造デザインに関心を持ったのか?」「何がきっかけで建築を面白いと思ったのか?」「これまで人生設計に影響を受けた人や出来事は何か?」など、代表者のこれまでの原体験を深掘りすることで、会社を作るに至った背景を可視化し、ぼんやりしたイメージを明瞭にするためのエビデンスを集めました。
また、原体験を深掘りすることで把握できた会社の軸となりうる情報が、構造デザイン業界において戦略的なポジションとしてどう位置付けることができるのかを整理することで、会社としての理念や思想、価値観がしっかりと事業的な強みにつながるかどうかを検討していきました。
そして、上記2つの対応を進めることで、「クライアントならではの思想に基づいた構造デザインの考え方や姿勢」をキャッチーな言葉として表すことで、顧客に対して直感的に分かりやすい他の事務所との差別化を行い、かつその言葉自体がクライアントの会社としての軸を表現しうる状態を作ることを目指しました。
・「やってみようからはじめよう」
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3つの取り組みを行うことで、以下のことが明確になりました。
クライアントの原体験であり、構造デザインにおける思想を作っているものとして、著名な構造デザイナー セシル・バルモンドの思想との出会い・アプローチへのリスペクトがある
構造デザイン業界は、大手企業層から個人事務所層まで幅広く存在していて、クライアントの競合になりうる個人事務所層の多くは「技術」を売りにしている傾向があり、技術差が少ないことから差別化ができておらず、コンセプトを打ち出すことでポジションが取れる
セシル・バルモンドから影響を受け、クライアントが意識し続けている思想・アプローチは、「不可能だと思えるものを、可能にするために併走する」というものである
結果として上記のことが明確になったことで、「やってみようからはじめよう」という言葉を、ブランドコンセプトとして創出しました。
ブランドコンセプトが決まったことで、原体験を反映した会社としての思想・姿勢をわかりやすく表現し、かつ他の事務所に対して明確にコンセプトを打ち出せていることでの差別化が図れるという状況を生み出しました。
これにより、クライアントからは「営業を行う際に、自分たちを理解してもらった上で提案・案件化ができるようになった」「採用においても、会社の思想を理解した上で興味を持ってくれる人が増えた」などポジティブな効果を生み出しているという評価をいただきました。
・コーポレートサイト制作
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「やってみようからはじめよう」というブランドコンセプトを反映したサイトデザイン案を3案ご提案し、その中から様々な思考の跡をノートに書き込むようなデザインに決まりました。